音楽理論の観点から本作を分析すると、aiko節と呼ばれる独創的なコードプログレッションが随所に散りばめられていることが分かります。キーボードやピアノを中心としたアレンジメントでは、単純なメジャーコードやマイナーコードにとどまらず、メジャーセブンス(M7)やテンションノート(9th, 11th)を巧みに配置しています。
この和声設計が生み出す独特の「浮遊感」こそが、相手への想いに揺れる不安定な心情を音響的に再現する仕掛けです。サビに向かって一気に視界が開けるようなドラマティックな跳躍メロディと、ベースラインの滑らかな下降進行(クリシェ)が合わさることで、聴き手は無意識のうちに切なさと高揚感を同時に味わわされます。
ピアノスコアやコード譜を入手して演奏するファンが多いのも特徴で、「弾けば弾くほどコードの美しさに気づく」「左手のベースの動きが平次の胸の高鳴りのように聴こえる」といった声が音楽系コミュニティでも絶えません。