アブとブヨの決定的な違い!刺された時の激痛と痒みを防ぐ撃退法の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

生物学的な立ち位置からして、両者は完全に異なる系統を歩んでいる。アブはハエ目短角亜目のアブ科(Tabanidae)に属し、成虫の体長はおよそ15〜30ミリ。ハチを想起させる大型の体躯と、光を反射して怪しく輝く複眼、素早い羽音が特徴だ。一方のブヨ(東日本での呼び名。西日本では「ブト」、標準和名は「ブユ」)はハエ目長角亜目のブユ科(Simuliidae)に分類され、体長はわずか2〜5ミリ程度。見た目は丸みを帯びた小さなコバエそのものである。

生息地と活発になるタイミングにも明瞭な境界線が存在する。アブは湿地、草むら、水田、森林に広く分布し、気温がぐんと上がる日中の強い日差しの中でも平然と獲物を狙う。車の排気ガスやエンジンの熱、二酸化炭素に強く引き寄せられる習性があり、駐車直後の車両を取り囲む光景は珍しくない。対するブユは、水質の清らかな渓流や山間部の流水域でしか幼虫が生きられない。朝夕の涼しい時間帯や曇天・雨上がりに一斉に飛び立ち、足元付近を音もなく低空飛行して皮膚へ滑り込む。