現地・高知県においては、長宗我部元親を大河ドラマの主人公に押し上げるための「高知県大河ドラマ誘致推進協議会」や民間団体による誘致活動が長年にわたり精力的に展開されています。
高知県といえば、1968年の『竜馬がゆく』、2010年の『龍馬伝』をはじめ、坂本龍馬を軸とした幕末大河のイメージが定着しています。しかし、地元経済や観光業界からは「幕末だけでなく、戦国期の誇りである長宗我部元親にスポットライトを当ててほしい」という声が根強く上がっています。高知市桂浜近くの長宗我部元親初陣の像や、南国市の岡豊城跡(おこうじょうあと)周辺では、歴史イベントやシンポジウムが定期開催され、署名活動やNHKへの公式要望書の提出が継続して行われています。
原作候補として常に最有力に挙げられるのが、司馬遼太郎の歴史長編『夏草の賦』です。内気な美少年だった元親が、長槍を用いた革新的な戦術「一領具足(いちりょうぐそく)」を率いて急成長する前半から、四国制覇の野望、そして豊臣・織田の巨大勢力とのせめぎ合いに至るまでが濃密に描かれており、そのまま大河ドラマのプロットとして成立する完成度を誇ります。文学的評価の高さと地域創生の熱量は、企画実現に向けた強力な後押しとなっています。