国土交通省が発表した最新の公示地価データを精査すると、大阪市南部エリアにおいて突出した上昇率を示す地点が浮かび上がる。それが「あびこ」エリアだ。商業地のみならず、第一種住居地域における坪単価の上昇カーブは、市内中心部である北区や中央区の波及効果が完全に南下してきたことを裏付けている。
しかし、統計の数字以上に凄まじいのが「水面下の取引」だ。地元の老舗不動産関係者から入手した独自証言によると、駅徒歩5分圏内の優良な更地や低層ビル用地の約4割が、一般の検索サイトに出回ることなく「レインズ(指定流通機構)への登録直前」または「完全な相対取引」で完売しているという。
「大手デベロッパーや個人投資家が、買い取り資金を即日決済できる体制で手ぐすねを引いて待っている。一般消費者がポータルサイトの更新通知を受け取った時点では、すでに商談のテーブルすら残っていない」と情報提供者は語る。相場を一段引き上げるパワービルダーの攻勢により、掘り出し物は完全にクローズドマーケットへ移行しているのが現状だ。