彼を一躍スターダムへと押し上げたのは、日本放送協会(NHK)が誇る異色のバラエティ番組『バリバラ〜障害者のリアルバラエティ〜』だった。これまでの福祉番組にありがちだった「健気に頑張る姿を応援する」という一方通行なトーンを根底から覆し、当事者自らが恋愛や仕事、性の悩みまでを赤裸々に語り尽くす場。あべけんたは、その中心で堂々とスポットライトを浴びた。
鋭いツッコミや絶妙な間合い、思わず吹き出してしまうエピソードトーク。テレビ放送事業の常識を心地よく揺さぶる彼のパフォーマンスは、NHKプラスなどの見逃し配信でも爆発的な再生回数を記録した。「特別扱い」を拒み、人間臭い感情を丸ごとさらけ出す姿に、視聴者は障害の有無を忘れ、一人の表現者として魅了されていった。