「You、詞を書いてみない?」――ジャニー喜多川氏からの突然の打診が、日本のポップス史を塗り替える引き金となった。菊池常利が当時用いていたペンネーム「J&T」は、「Johnny's & Tsunatoshi」を意味する。
『A-RA-SHI』の印象的なリフレインや、若者の衝動を叩きつけるようなワードセンス。あの一聴して忘れられないフレーズ群は、常利の胸の奥底にあった反骨精神とフォークソング由来の泥臭さが融合して生まれたものだ。当時、自らの息子が後に同じ事務所からデビューし、国民的スターへと上り詰める未来を、彼は想像していただろうか。
ヒット作を生み出しながらも、奢ることは一切なかった。裏方に没頭するわけでもなく、自らの歌声を直接届ける現場にこだわり続ける。そのブレない姿勢こそが、表現者・菊池常利の真骨頂と言える。