ジョニー・デップといえば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジャック・スパロウ役をはじめ、多くの作品で平田広明氏が吹き替えを担当する公認フィックスとして知られています。そのため、「なぜ本作では平田氏が起用されなかったのか」という疑問の声が今なお多く寄せられます。
これには、ティム・バートン監督が描いたウィリー・ウォンカという特異なキャラクター造形が深く関係しています。本作におけるジョニー・デップは、ダンディで色気のある従来のスター像を完全に封印し、白塗りメイクにボブカット、極端な対人恐怖症とトラウマを抱えた「巨大な子供」として演じ切りました。
配給会社や音響監督は、平田氏の持つ持ち前の伊達男感や大人の哀愁よりも、ウォンカの持つ「神経質で倒錯した幼児性」を表現できる声優を厳選した結果、DVD版では変幻自在の怪演に定評のあった藤原啓治氏を、テレビ版では突き抜けたコミカルさとエキセントリックな演技を得意とする宮野真守氏を選抜したと分析されています。