グッドウィル帝国崩壊の引き金となったのは、2007年に発覚した傘下の介護事業会社「コムスン」による介護報酬の不正請求問題でした。事業所指定を受けるために必要な人員基準を満たしていると見せかける虚偽申請が全国規模で発覚し、厚生労働省から新規指定の打ち切り処分を受ける事態へと発展します。介護という公共性の極めて高い分野での不正は、世論から猛烈なバッシングを浴びました。
さらに追い打ちをかけたのが、本業であるグッドウィル本体の違法派遣の実態でした。派遣法で厳しく禁止されていた「港湾運送業務」や「建設業務」への違法派遣が常態化していただけでなく、派遣先が別の会社へさらに指示を出す「二重派遣」、さらには給与から名目の不透明な金銭を差し引く「データ装備費(1回200円)」の天引き問題が次々と白日の下に晒されました。
利益至上主義のもとで現場の安全や法令が軽視されていた実態が暴かれ、2008年1月、厚生労働省はグッドウィルに対して全事業所への業務停止命令を発令。企業の社会的信用は完全に失墜しました。