名簿一覧の隣にPHONETIC関数を入力した瞬間、期待していた「ヤマダ タロウ」ではなく、元の漢字そのままの「山田 太郎」が表示されて頭を抱えるケースが後を絶ちません。バグやソフトウェアの不具合を疑いたくなりますが、これはExcelが文字データを保持するメカニズムに起因する正常な挙動です。
Excelにおけるふりがな情報は、セルに入力された文字列そのものとは別に、入力時にユーザーがタイピングした「キー入力履歴(IMEの読みデータ)」をメタデータとしてセル内部に不可視で保持しています。つまり、キーボードから「やまだ」と入力して「山田」に変換した場合にのみ、その裏側に「やまだ」という情報が記録されます。
しかし、Webブラウザや社内基幹システム、PDF、あるいは別のテキストファイルからコピー&ペーストした文字列には、キーボードを打鍵した履歴が存在しません。結果としてメタデータ領域が完全に空っぽのまま貼り付けられるため、PHONETIC関数は参照先を見つけられず、仕方なく「漢字そのもの」を返却してしまいます。これこそがコピペふりがな出ない原因の正体です。
さらに、他人が作成したシートを引き継いだ際にふりがな編集できない理由として多いのが、セルの保護機能や共有ブックのアクセス権制限、あるいは入力規則による制御です。シートの保護が有効になっていると、値の変更だけでなくふりがなの修正権限もロックされるため、校閲タブから保護を解除しない限り編集操作を受け付けません。