だだちゃ豆を口に含んだ瞬間に鼻腔を抜けるポップコーンのような甘香ばしい香気は、2-アセチル-1-ピロリンをはじめとする揮発性アロマ化合物によるものです。さらに、一般的な枝豆と比較して糖類(スクロースやグルコース)とアミノ酸(グルタミン酸やアラニン)の含有量が極めて高いことが研究データでも立証されています。
これほど繊細かつ濃厚な成分バランスを持つ豆だからこそ、熱の加え方によって味わいが激変します。沸騰した湯の中でダラダラと煮詰めてしまうと、熱に弱い芳香成分が湯気に逃げ出し、細胞壁が破壊されて糖分がお湯へと流出してしまうのです。産地である山形県鶴岡市の生産現場では、「お湯をグラグラ沸かしてサッとくぐらせるように茹で上げる」ことが鉄則として受け継がれています。だだちゃ豆の茹で時間を短めに設定し、余熱を計算に入れて引き上げる瞬発力こそが、圧倒的な美味しさを生み出す最大の秘訣です。