赤ワインと白ワインの決定的な違いとは?製法・味・健康効果の真相とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

ワインの美味しさを損なう最大の盲点が「赤ワインは常温で飲むべき」という言葉の誤認です。

この「常温(シャンブレ)」という概念は、200年以上前のヨーロッパにおける石造りの住宅や地下セラーの室温、すなわち15℃〜18℃程度を指しています。気密性が高く、夏場にはエアコンを稼働させても25℃〜28℃近くまで室温が上昇する現代日本の住環境においてボトルを部屋に放置すれば、温度が高すぎてワインは完全にダレてしまいます。ぬるくなった赤ワインはアルコールのツンとした揮発臭が前面に出てしまい、せっかくの果実香や酸味がマスキングされてしまうのです。

赤ワインであっても、飲む30分〜1時間ほど前に冷蔵庫の野菜室に入れて14℃〜16℃程度まで軽く冷やすだけで、味わいは驚くほど引き締まり、エレガントな余韻が甦ります。

対照的に、白ワインは「とにかくキンキンに冷やすのが正解」とも限りません。もちろんスッキリした早飲みの辛口白ワインは6℃〜8℃でキレを楽しめますが、樽熟成させたリッチなシャルドネなどを冷やしすぎると、豊かなアロマが固く閉ざされ、硬い酸味だけが際立ってしまいます。ふくよかな白ワインは10℃〜12℃前後の少し高めの温度でサーブするのがプロの鉄則です。

グラス選びにおいても、製法による液体の性質が考慮されます。香りを閉じ込めて揮発を抑えたい白ワインには、小ぶりでチューリップ型のグラスが向いています。一方、酸化を促して渋みをまろやかにし、複雑なアロマを開かせたい赤ワインには、ボウル部分が大きく膨らんだボルドー型やブルゴーニュ型のグラスを使うことで、本来のポテンシャルが最大限に引き出されます。