市場の根強い不信感を払拭した最大の鍵は、安全性に対する完璧な科学的プロトコルだった。ノルウェーが確立したアニサキス予防技術と、厳格な品質管理基準は、生食用としての信頼を確実なものにした。さらに、北欧から日本へ一度も冷凍せず生のまま輸送する空輸コールドチェーンの構築が、鮮度革命を起こす。
この徹底した衛生管理と物流革新によって、日本人が初めて体験する安全で上質な生食サーモン寿司が誕生した。一口食べれば広がる濃厚な脂の甘みと臭みのなさは、それまでのサケの概念を根底から覆すのに十分な衝撃を与えたのである。