CLIとは、動脈硬化によって足の血管が狭窄・閉塞する下肢閉塞性動脈硬化症(ASO / PAD)が最終段階まで悪化した状態を指します。足の末梢組織へ酸素と栄養が届かなくなり、組織が死滅(壊死)していく極めて重篤な病態です。
日本循環器学会および日本血管外科学会のガイドライン改訂を経て、2026年現在は単なる血流障害の指標だけでなく、傷の深さや感染の度合いを統合したCLTI(包括的高度慢性下肢虚血)という病名で診断されるケースが一般的になりました。特に糖尿病の合併患者や人工透析患者において急増しており、毛細血管の石灰化を伴う難治性の血流障害が特徴です。
見逃してはならないのが、重症虚血肢の予後と余命の厳しさです。臨床統計によると、適切な血行再建を行わずに放置した場合、発症から1年で約30%が足を失い、約25%が心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントで死亡するというデータが存在します。足だけの局所的な病気ではなく、「全身の血管が限界を迎えている警告サイン」として受け止める必要があります。