おうち服が単なる部屋着を超えてファッションの一大ジャンルへと発展した背景には、メディアとインフルエンサーによる強力なムーブメントが存在する。その原点とも言えるのが、かつて社会現象を巻き起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』だ。劇中で主演が見せたナチュラルでありながら愛らしい部屋着スタイリングは、日本中の視聴者に「家の中でもかわいくいることの価値」を強烈に強く印象付けた。
その後、トレンドの牽引役はテレビからSNSや動画配信プラットフォームへと移行する。美のカリスマとして絶大な影響力を持つ田中みな実が愛用品として紹介したシルクパジャマや繊細なレース使いのアイテムは、紹介されるやいなや即完売。また、本田翼が自身のおすすめとしてYouTubeやInstagramで披露したフード付きのオーバーサイズスウェットやゆるふわニットは、気取らないカジュアルさを求める層に爆発的ブームを巻き起こした。さらに、Netflixで海外ドラマを観ながらくつろぐ休日の「チルタイム」をインスタ映えさせるスタイルが定着したことで、部屋着は完全に魅せるためのファッションアイテムへと進化したのだ。