ファンの不満がここまで増幅した根底には、阿部監督が志向する戦術スタイルと現代野球のトレンドとの間に生じたギャップが存在します。就任以来、阿部監督は「手堅い野球」「1点を守り抜く野球」を掲げ、犠打や進塁打を徹底させるアプローチを重視してきました。しかし、セイバーメトリクスの浸透に伴いファンの戦術眼が高度化した現在、無死一塁からの盲目的な送りバントはアウトカウントを無駄に献上する非効率な作戦として批判の標的となりやすい側面を持っています。
さらに火種となったのが、守備でのボーンヘッドや怠慢に見える走塁直後に行われる「即座のベンチベンチ裏への懲罰交代」でした。規律を重んじる昭和的な指導法は、チームを引き締める効果がある反面、令和の若手選手たちの積極性を奪っているのではないかという懸念を呼びました。
スタメンを毎試合のように大幅に入れ替える「日替わりオーダー」についても、選手の好不調の波を見極めきれていない証拠だと槍玉に挙げられました。固定メンバーで戦う安定感を望むファンにとって、ベンチの迷いとも映る采配の数々が阿部監督の采配批判を決定的なものにしてしまったのです。