インターネット上の簡易工作紹介では、「輪ゴムを何重にも強く束ねれば威力が上がって倒れやすくなる」という言説が散見されるが、これは構造上の重大な誤りである。射的銃における輪ゴムの多重巻きは、トリガーの摩擦抵抗を極端に増大させ、子どもの未発達な指の力では引き金を引けなくなるトラブルを招く。それどころか、過度なテンションによって割り箸やダンボールの骨組み自体が歪み、銃身がへし折れる危険性すら孕んでいる。
威力を上げる正しいアプローチは、「ゴムを強くする」のではなく、「輪ゴムのサイズ(番手)を適正化する」ことにある。一般的な16号の輪ゴムを無理に伸ばすのではなく、少し太めの18号を採用するか、滑りの良い新品の輪ゴムを使うだけで、トリガーフィーリングを軽快に保ったまま初速を20%以上向上させることが可能だ。
また、「的を重くして安定させ、倒れにくくして難易度を上げる」という手法も現場では避けるべきだ。輪ゴムが弾かれて全く動かない的は、挑戦者に「イカサマ」「不公平」という強いストレスを与えてしまう。難易度を上げたい場合は、的を重くするのではなく「的自体の幅を細くする」「あえて丸い円柱形にしてカス当たりを誘発する」など、視覚的に納得感のあるデザイン調整を行うのがスマートな設計論である。