個人の情報や内面がデジタルネットワークを通じてどのように監視され得るか。その恐るべき実態を告発した映画『シチズンフォー 危険な暴露』は、米国家安全保障局(NSA)による無差別なデータ収集の闇を暴き、世界に強い衝撃を与えた。元CIA職員エドワード・スノーデンが命がけで明かした暗部はいまやフィクションではなく、デジタル社会に生きる我々が直視すべき現実である。
この作品がNetflixをはじめとする動画配信サービスで手軽に視聴されるようになった現代において、市民の意識も大きく変化した。監視は国家機関の専売特許ではない。巨大プラットフォーム企業や職場内の監視ツール、AIによる行動予測システムなど、日常のあらゆる局面でデータが収集されている。自分の検索履歴や視聴傾向が「思想的危険度」としてスコアリングされるかもしれないという畏怖。それは国民の精神活動に目に見えない自粛を強いる「冷却効果」を生み出し、民主主義の生命線を内側から蝕んでいく。