首都・東京の治安を守る警視庁刑事部捜査第一課。殺人や強盗といった凶悪犯罪を追う花形部署において、検視官はまさに「初動捜査の羅針盤」として君臨する。通常、警視や警部といった階級のベテラン警察官がその任に就き、長年の鑑識活動や刑事経験で研ぎ澄まされた直観と知識を武器にする。
現場に残されたロープの結び目一つ、首にかかった圧力の痕跡、爪の間に挟まった微細な繊維。自殺に見せかけた巧妙な他殺なのか、それとも突発的な心不全による事故転倒なのか。彼らの下す初動判断が狂えば、殺人犯が野放しになり、無実の人間が疑われる事態すら招きかねない。
現場での見立ては、その後の捜査員数百人の動きを決定づける。妥協なき視線が遺体に注がれる瞬間、現場には張り詰めた緊張感が漂う。