法多山尊永寺を語る上で欠かせない存在が、境内の茶屋で供される名物「厄除け団子(法多山名物厄除団子)」です。この団子のルーツは江戸時代、幕末の第13代将軍・徳川家定の時代に遡ります。寺の僧侶が考案して将軍家に献上したところ、「くしの名も 祭り法多の 寺団子」と賞賛され、以来「厄除団子」として庶民の間にも広まりました。
この団子の最大の特徴は、5本の細い竹串に刺さった独特の形状にあります。この5本の串は、人間の「頭・首・胴体・手・足」という五体を表しており、串ごと一気にいただくことで、全身にまとわりつく厄を払い落とすという深い信仰的意味が込められています。あっさりとした上品な甘さのこし餡と、もっちりとした米粉の餅のハーモニーは、老若男女問わず絶大な支持を集めています。
近年では、特定の時期にしか味わえない期間限定だんごがSNSやメディアで爆発的な話題を呼んでいます。春の「さくらだんご」、新茶の季節に茶処・静岡の風味を凝縮した「茶だんご」、秋の収穫期限定の「栗だんご」、そして夏の名物として定着したかき氷に団子を添えた「厄除氷」など、季節ごとの特別メニューは販売開始直後から長蛇の列ができるほどの熱狂を生み出しています。