試合前のメンバー発表の段階から、両監督の間では水面下の神経戦が繰り広げられていました。清水の指揮官は、前節で好調を維持していた攻撃的タレントをあえてベンチに温存し、守備の対人強度に定評のある職人肌の選手を先発スタメンに抜擢。一方の京都も、中盤の構成力を重視した布陣を選択し、中央でのボール刈り取り能力を極限まで高めるセッティングで臨みました。
公式会見や試合後インタビューで語られた指揮官の言葉からは、現場で起きていたリアルな葛藤が伝わってきます。清水の監督は「相手のプレッシングを最初の30分間どういなすか。そこさえ乗り切れば我々の時間が必ず来るという共通認識をチーム全体で持っていた」と明かしました。この言葉通り、ピッチ上の選手たちは立ち上がりのピンチにも取り乱すことなく、冷徹にゲームプランを遂行していたことがピッチサイドの取材からも確認されています。
逆に京都の指揮官が悔やんだのは、後半の交代枠の使い方でした。「追う展開の中で前線の枚数を増やしたが、かえって中盤のバランスを崩し、セカンドボールの回収役がいなくなってしまった」という述懐の通り、選手交代のタイミングと配置の微調整が、結果として清水に追加点の好機を献上する皮肉な引き金となってしまったのです。