くも膜下出血の難局を乗り越えたのも束の間、彼をさらなる試練が襲う。脳脊髄液の循環が阻害される「水頭症」を併発したのだ。これにより、脳圧を調整するための再手術を余儀なくされ、身体機能や精神面に大きな負担が重くのしかかった。一時は会話や基本的な日常動作すら困難となり、音楽界への復帰どころか、社会復帰すら危ぶまれる厳しい現実に直面した。
だが、米良氏は諦めなかった。過酷を極めるリハビリテーションプログラムに対し、持ち前の強靭な精神力で挑み続けた。声帯や腹筋の感覚を取り戻すための地道なトレーニング、身体の平衡感覚を取り戻すための歩行訓練など、毎日が激痛と涙の連続であった。かつてのように声が出ない恐怖に苛まれながらも、再びステージで歌いたいという強い執念が、彼のリハビリを支える原動力となった。