日本の鞄づくりにおける伝説的アイコンである吉田吉蔵の精神――「一針入魂」のアプローチは、時代やジャンルを超えて現在のプロダクトデザイナーたちにも多大な影響を与えている。急激なデジタル化が進むカメラ・光学機器業界において、エレクトロニクスの進化とは対照的に、ユーザーの手や肌に直接触れるインターフェース部分は依然としてアナログな職人技に依存している。
ケーカンパニーが手掛けるアイテムにも、この愚直なまでの職人魂が息づいている。ステッチの一本、革の裁断面の処理一つをとっても、細部への徹底したこだわりが伺える。デジタル技術が高度化すればするほど、温かみのある手仕事の価値が再評価されるという、業界の面白いパラドックスを同社の製品は体現している。