多くのドライバーが疑問を抱くのは、「道路線形が良く走りやすい新名神で、なぜこれほど壊滅的な多重衝突が起きたのか」という点です。現場検証および目撃者のドライブレコーダー映像から、トンネル事故の詳細と現場特有の構造的要因が浮かび上がってきました。
事故現場は、トンネル手前から緩やかな勾配とカーブが連続する区間に位置していました。当時、前方では交通集中または先行車の速度低下に伴う自然渋滞が発生しており、後続の車両がその末尾に気づくのが遅れたことが最初の引き金とみられています。特に、大型トラックが減速しきれずに乗用車の列に激突し、玉突き状態を引き起こしたプロセスが有力視されています。
現場の状況を分析した交通工学の知見によれば、高規格道路特有の「走りやすさ」がドライバーの速度感覚を麻痺させ、無意識のうちに実速度が法定上限近くまで上がっていた可能性が指摘されています。暗がりから明かり、あるいはその逆へと視界が変化する明暗順応の遅れも重なり、制動判断に致命的な数秒の遅延が生じたと考えられます。