本居宣長が成し遂げた『古事記伝』の偉業は、単なる歴史書の解読にとどまりません。言語、文学、民俗学、神道研究など、あらゆる日本文化研究の礎となりました。
2026年代半ばを過ぎた現在も、古代史や日本神話への関心は衰えるどころか、自己のルーツや物語論としての視点から再評価が進んでいます。しかし、全44巻に及ぶ宣長の原文(漢文混じりの古典文体)を通読するのは専門家でも容易ではありません。
これから本居宣長の世界や『古事記伝』の真髄に触れたい読者には、以下のようなアプローチが推奨されます。
- ちくま学芸文庫『本居宣長コレクション』:宣長の代表的な論考や『古事記伝』のエッセンスを厳選して収録しており、初学者に最適。
- 岩波文庫『古事記』『古事記伝』抄録:宣長の厳密な訓み下しテキストと注釈の切れ味を体感できる王道の学術文庫。
- 現代語訳『古事記』関連書籍(竹田恒泰訳、角川ソフィア文庫版など):宣長が復元した読み方をベースにした現代語訳から入ることで、神話のストーリーと宣長の解読の的確さが実感できる。
まずは読みやすい現代語訳で『古事記』のストーリーを押さえ、その背後に「35年間文字と格闘した町医者・本居宣長の情熱があった」という文脈を意識することで、神話の解像度は劇的に高まります。