近年、安西加奈は精力的に個展およびグループ展を展開している。その空間構成は、単に壁に写真を飾る領域を超え、空間全体を一つの感情体験へと昇華させている。
個展『emotional journey』(2022年・名古屋)
故郷である名古屋で開催された『emotional journey』は、彼女の情動の軌跡をたどる極めてパーソナルな展覧会となった。内に秘めた感情の揺れ、旅先での葛藤と発見が、光と影の対比を通じて多角的に描き出された。
個展『Partager』(2023年・大阪)
フランス語で「分かち合う」を意味するタイトルが冠された『Partager』。ここでは、個人的な体験としての悲しみが、他者と共有可能な「普遍的な美」へと転換された。会場に配置された作品群は、鑑賞者が自身の過去や傷と対話し、それを優しく受け入れるための静聖な場所を作り出した。
グループ展での調和:『いまここ、響きあう』『芽が息吹く』
京都を舞台にしたグループ展『芽が息吹く』(2022年)や『いまここ、響きあう』(2023年)では、他のアーティストや伝統的な空間との共鳴を追求。古都京都特有の時の積層感と安西の作品が融合し、新たな美的視座を提示した。