「なぜ遠く離れた南北の集団が似ているのか」という疑問に対する科学の答えは、両者が共通して縄文人の遺伝子を色濃く受け継いでいるという事実にあります。
現代の本土日本人(主に本州・四国・九州に暮らす人々)のゲノムを解析すると、縄文人由来のDNA比率はおよそ10〜15%程度にとどまります。これに対し、琉球人では約30%前後、アイヌ人においては約60〜70%もの縄文人ゲノムが保持されていることが近年の高精度なDNA解析によって判明しました。
日本列島全体に最初に広がっていた縄文人集団に対し、大陸から渡来人が流入した際、地理的な中央部である本州周辺で急激な混血と人口爆発が起きました。一方、地理的な周縁部にあたる南西諸島と北海道には渡来系集団の影響が比較的遅れて、あるいは緩やかに波及したため、原初的な縄文人の遺伝的特徴が両端に色濃く残される結果となったのです。