富士山噴火で火山灰はどこまで届く?首都圏の降灰範囲と被害リスクとはどのようなものなのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

富士山火山防災対策協議会が改定を重ねる富士山噴火ハザードマップ最新データでは、溶岩流の到達シミュレーションの見直しとともに、広域に及ぶ「火山灰(降灰)」の被害推計が極めて重要な課題として位置づけられています。溶岩流が静岡県や山梨県の市街地へ到達するには一定の時間を要しますが、上空高く噴き上げられた火山灰は、日本上空を常に西から東へと流れる強い偏西風に乗り、極めて速いスピードで関東平野を直撃します。

内閣府のワーキンググループが公表している富士山噴火被害シミュレーションによると、宝永噴火と同規模(総噴出量約7億立方メートル、富士山の山体換算で約100日分)の噴火が発生した場合、噴火開始からわずか数時間で上空の噴煙が神奈川県西部から東京都心、千葉県全域へと拡散。風速や風向きの条件によっては、降灰は関東全域のみならず、茨城県や栃木県、さらには太平洋上の伊豆諸島周辺にまで広がると試算されています。

このシミュレーションで最も警戒すべき点は、火口から約100キロメートル離れた東京都心であっても、偏西風の直撃を受ければ数センチから10センチ以上の降灰が数日間にわたって降り積もるという予測です。山麓地域だけの局所的な災害ではなく、「首都直下型の都市機能麻痺」として捉え直す必要があります。