創業以来の伝統に安住することは、緩やかな衰退を意味する。玉塚が主導する「ロッテグループグローバル経営改革2026」は、まさにその危機感から生まれた大号令だ。ガムやチョコレートといった国内コア事業の収益基盤を徹底的に磨き直す一方で、同社は東南アジアや北米をはじめとするグローバル市場への展開を加速度的に強めている。
単なる看板の架け替えではない。サプライチェーンの完全デジタル化、ブランドポートフォリオの冷徹な選別、さらにはバイオやメディカルといった新規成長領域への布石。菓子・食品製造業という既存のドメインを解体し、ウェルネス領域を包括するコングロマリットへの進化を企図しているのだ。リスクを取らないことこそ最大のリスクである――玉塚が放つその一言が、硬直化していた巨大組織を猛烈なスピードで突き動かしている。