プロフィール帳の再燃は、孤立した現象ではない。世界的な広がりを見せる「平成レトロ」や「Y2Kファッション」の巨大な潮流と完全に同期している。その象徴が、液晶玩具の金字塔であるたまごっちの再ブームや、2000年代初頭のティーンファッションを象徴するメゾピアノ(mezzo piano)のリバイバル現象だ。
パステルピンクを基調としたグラフィック、リボンやラインストーンで過剰にデコレーションされた世界観。メゾピアノの象徴的なモチーフがあしらわれたステーショナリーは、幼少期に憧れを抱いていた20代から30代の女性たちにとって、手の届く「宝物」の再来となった。一方、当時のリアルタイムを知らない10代にとっては、デジタルのフラットデザインにはない過剰なまでの装飾性が「エモい」新奇さとして映る。
画面の中で完結するたまごっちの育成と、1枚ずつ物理的に手渡して集めるプロフィールシート。どちらも「手間と時間をかける愛着」を共有する点で共通しており、デジタル疲れを起こした現代人の心を捉えて離さない。