2018年6月16日、ナゴヤドームで開催された「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」。10回目の節目を迎えたこの大舞台は、地元・名古屋開催ということもあり、松井珠理奈にとって「絶対に負けられない戦い」でした。前年まで3連覇を達成していた指原莉乃が出馬を辞退したことで、事実上、松井珠理奈とHKT48(当時)の宮脇咲良による一騎打ちの様相を呈していたのです。
開票前に行われたコンサートの最中から、異変は目に見える形で現れていました。極度の重圧と疲労が重なった松井珠理奈は、感情を高ぶらせてステージ上で体調不良により倒れ込み、スタッフに抱えられて退場する事態が発生します。過呼吸のような症状に陥りながらも、気力だけでステージへと復帰する姿は、ファンの間に大きな動揺と緊張感を生み出しました。
開票イベントで見事に19万4453票を獲得して初の1位に輝いた松井珠理奈ですが、その受賞スピーチや壇上での言動は、従来のアイドルの枠を大きく超えた鬼気迫るものでした。「私が卒業するまでAKB48を守る」と宣言した熱いスピーチは、会場のファンを熱狂させた一方で、テレビ中継を通じて見ていた一般視聴者には「威圧的」「情緒不安定に見える」といった違和感を与えてしまう結果となったのです。