なぜ私たちの爪は、少しの衝撃で層状に剥がれたり、先端からヒビが入ったりしてしまうのでしょうか。爪の構造は、皮膚の角質層が特殊に変化したもので、上から「背爪(トップ)」「中爪(ミドル)」「腹爪(アンダー)」という3層のケラチン板が重なり合う構造をしています。この層と層を接着しているのが水分と脂質(セラミドなど)です。
食器用洗剤やエタノール消毒液に頻繁に触れると、層の間にある脂質が奪われ、層同士の結合力が著しく低下します。この状態こそが、爪先がめくれる二枚爪原因と対策の最重要ポイントです。さらに、加齢や血行不良によって末梢まで栄養が行き届かなくなると、生成される爪自体が薄くなり、外圧に耐えられなくなってしまいます。
「爪が割れやすいのはカルシウム不足」という通説が長年信じられてきましたが、生化学的には不十分な認識です。爪の約80〜90%を構成しているのは硬質ケラチン(含硫アミノ酸であるシスチンを豊富に含むタンパク質)であり、骨とは組成が根本的に異なります。乾燥という外的要因と、爪を作る材料の枯渇という内的要因が重なることで、トラブルが常態化する悪循環に陥るのです。