「シンボルツリーとして植えたオリーブに花はたくさん咲くのに、秋になっても全く実がつかない」という相談は、園芸界隈で最も頻出する悩みのひとつです。オリーブ栽培において実が結実しない背景には、明確な植物学的理由が存在します。
1. 最大の原因は「自家不結実性」|1品種だけでは受粉しない
オリーブは「自家不結実性(自分の花粉では受粉・結実しにくい性質)」が極めて強い樹木です。庭に1本だけオリーブを植えている場合、どれほど生育が旺盛であっても実をつける確率はごくわずかです。
結実させるためには、「開花時期が重なる異なる2品種以上」を近隣に混植する必要があります。
【代表的な相性の良い組み合わせ例】
・マンザニロ(主品種・大実で塩漬け向き) × ネバディロ・ブランコ(受粉樹・花粉量が豊富)
・ミッション(主品種・油分多く樹形が美しい) × ルッカ(受粉樹・耐病性が高く豊産性)
2. 剪定ミスによる「花芽の切り落とし」
オリーブは「前年の春から夏にかけて伸びた新しい枝(前年枝)」に花芽を形成する性質を持っています。冬や早春の剪定時に、伸びた若い枝を一律にバッサリと切り詰めてしまうと、花芽ごと落としてしまいその年の実がつかなくなります。剪定時は古い不要な枝や内側に混み合った枝を間引く「透かし剪定」を基本とし、前年に元気に伸びた枝を大切に残すことが肝要です。