北海道・斜里町の高台に立つと、視界を埋め尽くすのは幾重にも連なる畑作地帯と、その中央を一刀両断するように貫く一本のアスファルトです。国道334号線から国道244号線、そして斜里町道「斜里峰浜線」へと続くこのルートは、総延長にして約28.1kmという国内屈指の規模を誇る北海道の絶景直線道路です。
この道が「天に続く」と形容される最大の理由は、単に平坦な直線が長いからではありません。オホーツク海沿岸から内陸の丘陵地帯にかけて高低差のある地形が連続しており、坂の頂点付近に立つと、アップダウンを繰り返す道路の先が地平線を超えて空へと突き抜けているように錯覚する「視覚的遠近法」が作用するためです。
かつては知る人ぞ知る隠れたビュースポットであり、道路脇に車を停めて鑑賞するドライバーが散見される程度でした。しかし、SNSでの爆発的な拡散に伴い、斜里町によって安全に景観を楽しめる木製の展望デッキ「天に続く道 スタート地点(展望台)」が正式に整備されました。現在では安全柵や案内看板が整い、雄大な斜里平野とオホーツク海を一望できる第一級の観光拠点として確立されています。