アーティスティックスイミングの歴史において、もうひとつの重大な転換点が男子選手の出場資格拡大です。2015年の世界水泳選手権で男女ペアによる「ミックスデュエット」が公式採用されて以来、男子選手たちの卓越したフィジカルと表現力は世界中で高い評価を集めてきました。
そして2026年のパリ五輪からは、五輪史上初めて8人編成のチーム種目において最大2名までの男子選手の登録が認められました。日本国内でも佐藤陽太郎選手をはじめとするトップアスリートが世界選手権の舞台でメダルを獲得し、男子ASのパイオニアとして道を切り拓いています。
また、種目構成におけるデュエットとチームの違いもより明確化されています。デュエット(2名)では極限までの同調性と2人の呼吸・脚の角度の一致が問われるのに対し、チーム(8名)およびアクロバティックルーティンでは、水中から選手を空中へ3メートル以上突き上げるリフト技など、立体的かつダイナミックな集団構造の構築が求められます。男子選手の参入により、土台となる推進力や跳躍の滞空時間が大幅に向上し、演技全体の迫力が劇的に進化しました。