深海魚おじさんの正体とは?醜い顔の理由と本物の魚を徹底解剖について押さえておきたい ポイントを厳選して解説いたします。

人間の鼻や大きな口、垂れ下がった頬のような顔立ちで世界中に衝撃を与えた深海生物の正体は、カサゴ目ウラナイカジカ科に属するニュウドウカジカ(学名:Psychrolutes marcidus)です。英語圏では「ブロブフィッシュ(Blobfish)」と呼ばれ、ゼリー状の不定形な肉塊を意味する名が付けられています。

この魚が一躍世界の注目を浴びたのは2013年9月のことでした。イギリスの環境保護団体「醜い動物保存協会(Ugly Animal Preservation Society)」が主催したオンライン投票において、パンダやトラのような愛らしい動物ばかりに保護資金が集まる現状への風刺として「世界一醜い生物」のコンテストが開催されました。ニュウドウカジカはおよそ1万票近い投票の中で全体の25%以上の支持を集め、不名誉にも初代チャンピオンに輝いたのです。

メディアやSNSでは「不機嫌そうな中年男性」「月曜日の朝のサラリーマン」と形容され、フィギュアやキャラクターグッズが作られるほどのブームを巻き起こしました。しかし、この愛嬌と哀愁が混ざり合った「おじさん顔」には、深海という極限環境がもたらした過酷な真実が隠されています。