物語が佳境に差し掛かる直前、SNSやコミュニティ掲示板で急速に支持を集めたのが「ヤチヨ黒幕説」でした。月からの刺客を冷酷に排除する一方で、かぐや姫の覚醒をあえて促すような挑発的行動を取り、時には主人公陣営を危機に陥れるような情報制限を行っていたためです。
しかし、物語が明かしたヤチヨの真の目的は、世界の破壊や月の支配ではありませんでした。彼女が目指していたのは、「月と地球の因果の完全な切断」、すなわちかぐや姫を月に連れ戻そうとする宿命のシステムそのものを内部から崩壊させることだったのです。
その目的を達成するためには、あえてかぐや姫を極限状態に追い込み、潜在能力を完全に開花させる必要がありました。「悪役」を演じてでも運命を打破しようとする冷徹な決意こそが、周囲から黒幕と疑われる要因となっていたわけです。守護対象でありながら、時に試練を与える執行者として対峙するかぐや姫との関係性は、単純な友情や忠誠心では割り切れない、極めて濃密でエモーショナルな絆として描かれています。