アンジャッシュが最初からすれ違いコントで脚光を浴びていたわけではありません。1993年の結成当初、2人は一般的な漫才やショートコントを中心に活動していました。しかし、当時の演芸界には爆笑問題や海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)など話術に長けた実力派がひしめいており、オーソドックスなしゃべくり漫才では差別化に苦戦を強いられます。
そこで彼らは「自分たちが生き残るための明確な武器」を模索し、漫才とコントの根本的な違いに着目しました。漫才が芸人本人のキャラクターやテンポに依存するのに対し、コントは「設定とシチュエーション」を強固に作り込めば、演技力と構成力で観客を劇世界に引き込めます。試行錯誤を重ねる中で「同じ言葉なのに、まったく別の意味で受け取っている2人」という会話劇のアイデアが生まれ、これが後の大躍進を支える黄金パターンとなりました。