なぜ今、これほどまでにアグレッシブな待遇改善が行われるのか。その背景には、国内の労働市場における深刻な人材争奪戦がある。トップの荻野明彦最高経営責任者(CEO)を中心に、グループ全体で「人材への投資こそが成長の原動力」という強固な方針が打ち出された。
証券業界全体を見渡せば、日本証券業協会の統計や各種の経済ニュースでも報じられている通り、従来の年功序列型賃金からの脱却が急務となっている。米系・欧州系の外資系金融機関が提示する破格の報酬に対抗し、国内トップ層の頭脳を繋ぎ止めるための戦略的布石と言えるだろう。内部関係者からの情報によれば、単なるベースアップにとどまらず、若手社員の早期登用と連動した評価システムの刷新も同時に進められているという。