王の記憶が失われた際、プフはコムギの存在を隠し通そうと奔走した。しかし、王が自らの死期とコムギの記憶を取り戻した瞬間、プフの存在意義は崩壊する。彼が守ろうとした「理想の王」は存在せず、王は一人の人間としての温もりを選んだからだ。
バラの毒によって身体が内側から崩壊していく中、プフは路傍でひっそりと息を引き取った。圧倒的な強者として君臨していたキメラ=アントの幹部が、兵器の毒という兵士の個人的な武力とは無関係な力で淘汰される結末。冨樫義博氏が描いたこの「無常さ」は、生物の尊厳と人間の兵器の悪意を極限まで対比させる演出として、今なお語り草となっている。