なぜ8月は「August」と呼ばれるのでしょうか。その起源は、紀元前27年に地中海世界を統一してローマ帝国の初代皇帝となったガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス(尊称:アウグストゥス)に遡ります。
もともと古代ローマの初期暦(ロムルス暦)において、1年は現在の3月(Martius)から始まっており、現在の8月は「6番目の月」を意味する「Sextilis(セクスティリス)」と呼ばれていました。しかし、大叔父であるユリウス・カエサルが自らの名前を7月(Julius / July)に冠したことに続き、紀元前8年、元老院はオクタウィアヌスが軍事的な大勝利を収めた節目であるSextilisを、彼の尊称である「Augustus」へと改名することを決定しました。
長年、巷の歴史雑学では「アウグストゥスが、7月(カエサルの月)が31日あるのに対し、自分の8月が30日しかないことを嫌がり、2月から1日奪って31日に増やした」という説が広く語られてきました。しかし、近年の歴史暦学の研究および現存するローマ暦の発掘資料の検証により、カエサルがユリウス暦を制定した紀元前45年の時点で、すでに8月は31日として定められていたことが立証されています。皇帝の嫉妬による日数改変説は13世紀の学者による俗説であり、史実ではありません。