幻冬舎新書から刊行された『80歳の壁』は、単なる医療アドバイスにとどまらず、「老いへの向き合い方」そのものを根本から覆した名著として読み継がれています。長年、高齢者専門の精神科医として6,000人以上の臨床経験と多数の遺体解剖に立ち会ってきた和田秀樹氏だからこそ導き出せた、極めて現実的な知見が詰まっています。
本書の内容まとめとして特筆すべきは、「80歳を過ぎれば誰の体内にもがんがあり、脳の動脈硬化やアルツハイマー病変が存在している」という厳然たる医学的事実です。病気をゼロにする「治す医療」に固執するあまり、きつい食事制限や大量の薬で生活の質(QOL)を落とすのは本末転倒だと著者は説きます。80代に必要なのは病気と無理に戦うことではなく、残された心身の機能を最大限に活かして毎日をご機嫌に過ごす姿勢です。