日々の業務に追われる教育・福祉現場のリアルな実態を取材すると、ネット上で賞賛される美しい折り紙動画と、実際の現場運営との間に横たわる深刻なギャップが浮き彫りになってきます。
神奈川県内の特別養護老人ホームでレクリエーションを担当する作業療法士の女性(38歳)は、現場の切実な変遷を次のように証言します。
「数年前までは、SNSで見かけた多面体の精巧な朝顔やくす玉を高齢者の皆さんと折ろうとして、大失敗を繰り返していました。途中で端が合わなくなって『私はもう手が動かないからダメだ』と自信を喪失して涙ぐむ利用者様や、見かねて職員が全工程を代行し、結果として深夜まで残業になるという本末転倒な事態が日常茶飯事だったのです。しかし、工程を極限までシンプルにし、最後の仕上げに金色のシールを貼るだけにしたところ、利用者様の表情は見違えるほど明るくなりました。『自分でできた』という感覚こそが最も尊い価値だと気づかされました」
また、千葉市内の認可保育園に勤務する主任保育士(42歳)も、近年の壁面装飾における発想の転換を指摘します。
「以前は保育士が夜遅くまで残って大作の笹飾りを作り上げていました。しかし今は、子どもたちが1人1匹折った小さな金魚や、自由に種を描いたスイカを青い模造紙にペタペタ貼っていく『全員参加型』の壁面にシフトしています。保護者からも『うちの子の作品がどこにあるか一目でわかり、お迎え時の会話が弾む』と好評です」
現場のリアルな声が物語るのは、技術的な難度を競う時代は終わり、関わる人間全員の負担軽減と自己効力感の獲得が最優先される時代になったという事実です。