ゴールデンタイムのバラエティにおいても、テレ東の独自色は群を抜く。象徴的な存在が出川哲朗だ。彼がスイカヘルメットをかぶり、電動バイクで各地を旅する番組は、予定調和を完全に排除したドキュメントバラエティの最高峰と言える。バッテリーが切れれば一般民家に頭を下げて充電を頼み、泊まる宿がなければ自力で探す。そこにあるのは、作られた笑いではなく、人情と偶然が織りなす剥き出しの人間ドラマだ。
コンプライアンスの締め付けやネット上の炎上を恐れ、多くのバラエティが縮こまるなか、現場のタレントとスタッフが汗をかき、泥にまみれる姿は視聴者の心を強く打つ。台本通りに進まないハプニングこそを最高のご馳走とする姿勢は、テレビというメディアが本来持っていた「生々しい面白さ」を令和の時代に再提示している。