午前6時。街が本格的に動き出す前、会場前には防寒具に身を包んだファンがすでに数百人規模で集まっていた。列の先頭にいた20代の女性は「1975年の登場当時のクラシックなデザインと、平成初期のカオハナ(花柄)キティの限定グッズを絶対に手に入れたくて、前夜から近くのホテルに泊まりました」と語る。
会場限定グッズの最大の魅力は、キティの半世紀以上にわたる「変遷の歴史」そのものを手元に残せる点にある。特にZ世代を中心に爆発的なブームとなっている「平成レトロ」文脈のアイテムは、当時を知る30〜40代のノスタルジーを刺激するだけでなく、若年層には新鮮な「Y2Kファッション」のアイコンとして受け入れられている。単なる懐古趣味にとどまらない。エッジの効いた令和のクリエイター陣によるアヴァンギャルドな再解釈が組み合わさったことで、プロダクトとしての強度が飛躍的に高まったのだ。