「ガリガリ君ナポリタン味」の失敗は、数字で見てもあまりに悲劇的だった。見込み違いにより抱えた在庫は約320万本。金額にして約3億円という巨額の赤字を叩き出す羽目になったのだ。企画・開発の中心人物であった井上創太氏をはじめとする開発チームは、空前のヒットに酔いしれるあまり、市場の冷酷なリアリティを見誤っていた。
「コンポタ味」の成功体験が裏目に出た。売れると確信した会社側は、初頭から大量生産のラインをフル回転させた。しかし、蓋を開けてみれば「1本食べて満足」「罰ゲームとしては面白いがリピートはない」という消費者の本音が浮き彫りになる。山のように積まれた在庫は倉庫を圧迫し、社内には冷たい風が吹き荒れた。