2型糖尿病の症状の出方には、ホルモンバランスや身体構造の違いから性差が見られる点にも留意が必要です。男性と女性で現れやすい特徴的な不調を知ることは、見逃しを防ぐ強力な手がかりとなります。
働き盛りの男性に目立つのが、激務による疲労と誤認されやすい「重度の倦怠感」と「理由のない急激な体重減少」です。基礎代謝量や筋肉量が多い男性は、エネルギー効率の低下が筋力低下やスタミナ不足としてダイレクトに現れます。また、動脈硬化や神経障害の初期段階としてED(勃起不全)を発症するケースも多く、内科領域ではなく男性特有の悩みとして受診をためらっている間に糖尿病が進行してしまう構造が存在します。
一方、女性特有のサインとして頻発するのがカンジダ膣炎や難治性の膀胱炎などの婦人科系・泌尿器系のトラブルです。尿中に高濃度の糖が排出されることで局所の雑菌が繁殖しやすくなり、頑固なかゆみや排尿時の違和感を繰り返します。さらに、閉経前後の女性では更年期障害の代表的な症状(のぼせ、発汗、気分の落ち込み、疲労感)と糖尿病の初期症状が酷似しているため、婦人科に通院している間に血糖値の異常が見落とされるケースが臨床現場で多数報告されています。