第二次検定の経験記述では、「安全管理」「品質管理」「工程管理」の中から指定されたテーマについて記述することが求められます。年度によっては「出来形管理」や「環境保全 施工計画 記述例」を問われる可能性もあるため、主要管理項目の記述パターンを網羅しておく必要があります。まずは全ての土台となる工事概要の整理から確認していきましょう。
工事概要 経歴 書き方のコツ
工事概要は、採点官がその後の記述全体の信憑性を推し量る「名刺」のような役割を果たします。ここが曖昧だったり、施工規模と自分の役職に矛盾があったりすると、本文を読む前に厳しい目で見られることになります。
工事名には「〇〇川護岸改修工事」「市道〇〇号線道路改良工事」のように、工種と現場が特定できる公的な名称を記載します。発注者名、工期、工事場所(都道府県・市区町村まで)、請負金額、主な工種、施工量(土工量〇〇m3、舗装面積〇〇m2など)を具体的かつ正確に書くことが鉄則です。現場での立場は、2級の実務経験基準に合致する「現場代理人」「主任技術者」「施工管理担当者」などとし、補助的な作業員と受け取られるような表記は避けなければなりません。
1. 安全管理 作文例 減点理由と改善策
安全管理は最も多くの受験生が選択するテーマですが、最もテンプレート的な抽象論に陥りやすい危険な分野です。
【よくある減点記述の例】
「バックホウによる掘削作業において、重機との接触事故が懸念された。そのため、毎朝のKY活動を徹底し、作業員に重機の作業半径内へ立ち入らないよう注意喚起を行った。その結果、無事故無災害で工事を完了することができた。」
※減点理由:注意喚起だけで管理技術者の具体的措置(物理的隔離・配置計画・監視体制)が何一つ示されていない。
【実地試験 経験記述 例文(安全管理・模範解答)】
「特に留意した技術的課題:本工事は幅員4.0mの狭小な供用道路に隣接した擁壁工であり、0.45m3バックホウ旋回時に第三者車両および作業員との接触災害が発生する危険性が極めて高かった。
検討した理由と内容:重機の死角を完全にゼロにすることは困難であるため、警報装置の追加と物理的進入禁止措置の両面からリスク低減を図った。作業半径内へのカラーコーンおよびバーによる立入禁止区画の設定に加え、後方超音波センサーの検知範囲を2.0mに設定して稼働させる計画を立案した。
現場で実施した処置:作業半径内への物理的立入禁止ラインを明示するとともに、専従の合図手を旋回範囲外の死角のない位置に常駐配置した。合図手とオペレーターの間で統一した手合図マニュアルを策定・周知し、合図が途切れた際は直ちに重機を旋回停止させるルールを徹底した。結果として、第三者および作業員との接触事故を皆無で施工を完了した。」
2. 品質管理 記述対策 詳細まとめ
品質管理では、構造物の要求性能(強度、耐久性、平坦性など)を確保するために、材料選定・施工時試験・養生プロセスにおいていかなる数値管理を行ったかを論理的に示す必要があります。
【実地試験 経験記述 例文(品質管理・コンクリート工)】
「特に留意した技術的課題:盛夏期におけるRC擁壁のコンクリート打設(外気温33℃)であったため、練り混ぜから打ち込み終了までの時間経過に伴うスランプ低下およびコールドジョイントの発生、水和熱による初期ひび割れが懸念された。
検討した理由と内容:日中最高気温下での運搬時間を考慮し、打設完了目標時間を練り混ぜ後90分以内と設定した。また、単位水量の過大による乾燥収縮ひび割れを防ぐため、受入検査時のスランプ基準値(8cm±2.5cm)および空気量(4.5%±1.5%)の許容公差を遵守しつつ、コンクリート打込み時の温度を35℃以下に制御する養生計画を検討した。
現場で実施した処置:生コンプラントと綿密に連携し、レディーミクストコンクリートのアジテータ車間隔を15分に設定して現場待機時間を極小化した。打設時は1層あたりの打込み厚さを40cm以下とし、内部振動機の挿入間隔を50cm以下、下層コンクリートへの差し込み深さを10cm以上として棒状振動機を垂直に保持した。打設後は直ちに湿潤養生マットを敷設し、散水養生を5日間連続して実施した結果、コールドジョイントおよび有害なひび割れのない設計基準強度(24N/mm2)を上回る高品質な構造物を完成させた。」
3. 工程管理 留意事項 模範解答
工程管理では、「工期が遅れたから残業させた」という力技は施工管理の処置として評価されません。工程短縮やクリティカルパスの組替えに関する技術的工夫が求められます。
【実地試験 経験記述 例文(工程管理・道路改良工)】
「特に留意した技術的課題:梅雨期の降雨長期化により、路床盛土工事が工程表より8日間の遅延を来した。後工程である路盤工およびアスファルト舗装工の施工期間を圧迫し、供用開始日に遅延するリスクが発生した。
検討した理由と内容:後工程の単純な突貫作業は作業員の疲労による安全低下や転圧不足を招くため、クリティカルパス上にある路盤工の施工手順を見直した。従来の上層路盤・下層路盤を区分して順次施工する方式から、施工区間を南北2ブロックに分割して重機・作業班を2系列配置する並行施工への変更を検討した。
現場で実施した処置:発注者および資材納入業者と事前協議を行い、粒度調整砕石の1日当たり搬入量を従来の1.5倍に増量手配した。路盤工の施工を2班体制とし、下層路盤完了箇所から即座に上層路盤の敷均し・転圧に移行できる段取りを組んだ。また、出来形管理 評価ポイントとなる締固め度測定(RI計器による密度試験)をリアルタイムで実施し、手戻りを防止した。これにより遅延していた8日間を回復し、予定工期内に無事故で道路を開通させた。」