日本中で流行語となった「2倍2倍」の確固たるルーツは、高級寝具メーカーである丸八真綿(マルハチ)が放映したテレビCMにある。画面に登場したのは、アメリカ・ハワイ出身として初の幕内優勝を果たし、その愛嬌あるキャラクターで国民的人気を博した大相撲力士、高見山大五郎(たかみやま だいごろう)氏だ。
CM内で高見山氏は、鮮やかな黄色い寝具に身を包み、両手をリズミカルに前に突き出しながら、独特のかすれ声で「2倍、2倍!」「シルク、シルク!」と連呼した。このシンプル極まりないフレーズと巨体が織りなす強烈なギャップは、瞬く間に茶の間の心を掴んだ。広告業界の関係者によると、当時の丸八真綿は訪問販売を中心に展開していたが、このCMの爆発的ヒットによって企業認知度が全国区へと跳ね上がったという。
CMにおける2倍2倍の意味と由来は、同社が打ち出した羊毛敷布団の「2層構造による保温性と弾力性の向上」や「表裏で使える機能性」を直感的に伝えるためのセールスコピーであった。理屈を超えて視聴者の耳に残るリズムを追求した結果、昭和平成名作CM経緯の中でも屈指の成功例として記録されている。2倍2倍流行の理由は、高見山氏の唯一無二のキャラクター性と、誰でも真似できるフレーズのキャッチーさが完璧に合致した点にある。