現代のポップソングは、イントロを削り、サビを早め、刺激的なサウンドで溢れている。しかし、そうした「ハイパー・プロデュース」された音楽に慣れ親しんだZ世代やα世代が、今あえてこの曲のようなアコースティックな楽曲へ回帰している現象は実に興味深い。
過剰なエフェクトを排した生の歌声、余白を感じさせる間(ま)、そして静かな息遣い。情報過多なデジタル社会に生きる人々は、無意識のうちに人間らしい「不完全さ」や「生の温もり」を求めているのではないか。デジタル疲弊への反動として、この曲が持つ究極のアナログ感が今まさに人々の精神的安息所となっている。