イラストレーターで写真をトリミングする際、主流となるアプローチは「クリッピングマスク」と「画像の切り抜き」の2系統に分かれます。両者の最大の違いは、隠れた元画像データを保持し続けるか、あるいは完全に切り捨ててしまうかという点です。
クリッピングマスクは、図形の枠線を通して画像の一部を覗き見せる「非破壊編集」です。後から写真の表示位置や拡大率をミリ単位で調整できる柔軟性がある反面、見えていない部分のデータも保持されるため、大量に配置するとデータが重くなります。一方、コントロールパネルから実行する「画像の切り抜き」は、選択範囲外のピクセルデータを完全に削除し、配置画像を自動的に埋め込みます。ファイルサイズを劇的に軽量化できるメリットがあるものの、一度保存して閉じると元画像に戻せない不可逆な処理となります。
後からの修正指示が予想されるデザイン制作やレイアウト段階ではクリッピングマスク、最終入稿データの軽量化やWeb用アセットの書き出しには画像の切り抜きを選ぶのが鉄則です。